「介護の職に就くのは初めてで、自分にできるかどうか心配」
「職歴が途切れているため、仕事についていけるかどうか気がかり」といった悩みを持つ方は少なくありません。
しかし、心配は無用です。介護職には、未経験から入る人が多く、訪問介護の業務も経験がない状態でスタートすることができます。
今回の記事では、介護分野に初めて挑む方々に向けて、訪問介護の基本的な仕事内容やよくある質問に答えていきます。
訪問介護未経験者が抱いている方が多い不安なポイント
訪問介護の職に興味を持ち始めた方々の中には、「未経験でも対応できるだろうか?」という不安を抱えている人が多いです。
ただし、40代で介護職に初めて足を踏み入れる人も少なくなく、彼らの前職は事務職、専業主婦、工場勤務、美容関連など多岐に渡ります。
ほとんどの新人は介護分野について何も知らない状態から始めます。ですから、過度に心配する必要はありません。
未経験でも、家庭で行ってきた掃除や洗濯、食事の準備などの日常生活のスキルがありますね。これらの経験は訪問介護の仕事にも役立てられるため、介護未経験者でも充分に活躍できます。
新しい仕事を覚えるのが大変そう
未経験で始める場合、初めに多くの業務を覚えるのはやや困難かもしれませんが、これはあらゆる職種で共通のことといえるでしょう。
訪問介護では、新人は初めに経験豊富な先輩と共に訪問し、段階的に業務を覚えていく流れで業務を開始します。
日常生活支援の業務、例えば利用者さんの部屋の掃除や洗濯などを行いながら、先輩の補助を通じて少しずつ新たなスキルを身につけることが可能です。先輩からは手取り足取り業務を教えてもらえるので、徐々に自立して業務をこなす能力を高めることができます。
介護職は休日があまりとれなさそう
介護職の休日は他の多くの業種と比較しても遜色ありません。
一般にシフト制を採用しているため、土日が固定で休みの職種と比較すると少なく感じることがあるかもしれませんが、特別に少ないわけではありません。
訪問介護では、自分の希望する時間帯に仕事をすることができるため、個人の都合によっては休日を多く設定することも可能です。
たとえば、子供が学校に行っている間だけ午前中に働く、または週3日だけ午後に働くなどの働き方もできます。
自分のライフスタイルに合わせて、週1時間からの勤務も可能です。
また、複数の事業所に登録して積極的に働くヘルパーも多く、そのような働き方からはより多くの収入を得ることができます。
このように、働き方の柔軟性が訪問介護の大きな魅力の一つです。
年齢が採用に不利になってしまいそう
介護業界では、年齢、経験、学歴を問わず、多くの求人が存在しており、未経験者でも採用されやすいのが特徴です。
このため、年齢が不利になることは少ないと考えられます。
この状況の背後には、介護職の人材不足があります。
需要が増え続ける職種であるため、訪問介護の多くの求人は40代で未経験の人々にも開かれており、20代から60代までの幅広い年齢層の人々が活躍しています。
未経験者が多いため、多くの事業所では充実した研修制度を設けているケースが多いです。
いきなり一人で訪問することはない
訪問介護事業所に新たに加わった方々の中で、最初の訪問が不安と感じる方は多いです。
しかし、訪問介護の現場では新人ヘルパーを最初から一人で訪問させることはなく、常に安心できる環境が整えられています。
初期段階では、経験豊富な先輩ヘルパーが同行し、実際に利用者のお宅を訪れながら徐々に仕事の流れを学んでいきます。
さらに、経験者であっても、新しい担当ヘルパーが登場する場合には、サービス提供責任者が同伴することで、初めて会う利用者の家を単独で訪問することはありません。
最初は簡単な業務から始めて、順に新しいタスクを覚えることができるので、未経験の方でも心配する必要はないでしょう
未経験者も対応可能な訪問介護の業務
食事の準備と提供
訪問介護員にとって主要な業務の一つが食事の準備です。
この業務では、利用者の好みや必要な食事条件に応じて食材を購入し、その家庭のキッチン設備を使って料理を行います。
アレルギーや栄養のバランス、食材の硬さやサイズなど、いくつか注意すべき点は存在しますが、家庭で料理の経験がある方なら、これらの業務を適切にこなすことができるでしょう。
居室と水回りの清掃作業
利用者さんの自宅環境を快適に保つためには、居室や水回りの清掃が不可欠です。
テーブルやベッドの整理、掃除機の使用、ゴミの処理などを行い、居住空間を清潔かつ整頓された状態に維持します
シーツと寝具の交換及び洗濯
寝たきりの利用者や皮膚が敏感な方は、床ずれのリスクがあるため、シーツの交換は重要な作業です。
使用したシーツや枕カバーだけでなく、下着やその他の衣類の洗濯も含まれます。
段階的に身体介護の技術を学ぶ
生活支援業務、例えば食事の準備や掃除に慣れた後、徐々に利用者の身体に直接触れる身体介護の技術を身につけていきます。
未経験の方は、最初に清拭や着替えといった基本的な介護から始め、次第に移乗や移動支援、食事介助、排泄支援、入浴介助といったより広範な業務に取り組んでいくことになります。
訪問介護業務に必要な資格
訪問介護を行うには、必要な資格を保持していることが求められます。そのため、資格がない状態での就業は許されません。
訪問介護員に必要な資格一覧
- ・介護職員初任者研修
- ・実務者研修
- ・介護福祉士
未経験者には「介護職員初任者研修」の取得がおすすめです。
この研修は以前のヘルパー2級に相当し、介護職に必要な基本的な知識とスキルを身につけることができます。
研修内容は10科目、130時間で構成されており、修了試験に合格すれば資格が授与されます。
受講に必要な資格は特に設けられておらず、誰でも参加可能です。資格取得の所要時間は2週間から3ヶ月程度で、取得しやすい資格とされています。
未経験からでも訪問介護で活躍できる
訪問介護の職には未経験の方でも段階的に業務を覚えることができるため、安心して始めることが可能です。
初期段階では、経験豊富な先輩がていねいに指導してくれるので、初めての方も心配無く業務を開始できます。
資格を持っている訪問介護員は即戦力として働き始めることができるため、介護分野に関心がある方は、就業前に資格を取得しておくとよいでしょう。